分譲マンションに住んでいるとこういう疑問や悩みを抱くことがあると思います。マンション管理会社で現役でフロントとして働いている僕が考える正解をご紹介します。
✔本記事に書いてある内容
・管理組合の役員は断る(辞退する)ことは可能かどうか?
・断らないほう(辞退しないほう)が良い理由
・どうしても出来ない理由がある時の断る(辞退する)方法
・役員を引き受ける前に確認しておいた方が良いポイント
・役員は何をするのか?
マンションの役員なんてやりたくない。断ることは可能?

この記事を読まれている方は管理組合の役員をお願いされる文書が届いたり役員を引き受けてほしいという連絡があったり、順番で役員が回ってきて役員を断れる(辞退する)かどうか悩んでいる方だと思います。
結論からいうと「断ることは可能ですが断らないほうが良い」です。
こんな風に思う方がいるかもしれませんが、
大前提として、
あたなが役員をやりたくないように他の所有者も役員をやりたくないと思っている人が大半です。
また、「管理規約」で役員を置くことや役員の人数が決まっているので誰かは必ず役員をやらなければなりません。
✔「管理規約」とは
分譲マンションのルールが記載されている物です。一般的には購入時に不動産業者から渡されています。
役員を順番性(輪番制)にしているマンションが多いので分譲マンションを購入したのであれば順番がまわってきた時は原則として引き受けるという考え方が必要ですよ。
「断らないほうが良い」という理由

「役員を断る」という行為は、言い換えると「自分のやりたくないという我を通し、やりたくないことを他のマンションの所有者に押し付ける」ということです。
小学生でもこれが良いことではないというは分かりますよね。
例えるならば、
小学校で掃除がしたくないという理由で、「掃除当番をしない!!」と我を通すような物です。
親だったら注意しますよね。
そんなに難しい話ではないと思いますよ。
分譲マンションを購入し管理組合というコミュニティに属している以上は、ルールを守るというあたり前の価値観が必要です。
どうしても役員をやりたくないというのであれば
厳しいお話になりますが今後入居者と様々なトラブルが発生する可能性があるので
一戸建てや賃貸住宅に転居することをおすすめしますよ。
断らないほうが良いということであって、
絶対に断ってはいけないということではありません。
それでは、断る(辞退する)ことについても掘り下げていきますね。
どうしても役員が出来ない理由がある時は「相談」をする
一般的に誰が聞いても役員を出来ないような理由があれば
「断る」というのではなく理由を説明したうえで
役員を引き受けられないことを相談して「理解してもらう」という選択肢を選びましょう。
たとえばこんなケースですね。
・長期で入院する予定がある
・近日中に海外に転勤することが決定している
・入院・退院を繰り返している
・マンションの売却を予定している
・体調不良で理事会への出席が難しい
このような理由であれば理事会に相談してみましょう。
重要なのは断るのではなく、相談するというスタンスです。
実際に僕もフロントをしていてこのような理由で相談される方がいた場合においては、
理事会も「これはしょうがないようね」というような判断をするケースが殆どです。
ただし、役員をやりたくないからと言って、嘘の理由を並べるのは勿論だめですよ。(笑)
ちなみに「忙しくてできない」「やりたくない」という理由で断るのはNGです。
人はみなそれぞれ忙しいですよね。
忙しいという理由で断るのは
裏をかえせば「暇な人がやってくれ」というような失礼な意見となりますので
社会人として配慮にかける言動であるということは理解した方が良いですね。
フロントという仕事は基本的にマンションの理事会に毎回出席しておりますので、
忙しいという理由で断った方が理事会の中でどんな風に言われているのかを聞いています。
ちょっとした裏話をご紹介しますね。
✔あの人って本当に協調性がないよね・・・・
✔そういえば、この間すれ違った時に挨拶もしなかったよ。
✔あの人は変わり者だから・・・
✔こういう人に限って文句だけは言ってくるから面倒だよね。
これが実態です。
見方を変えれば、役員を忙しいという理由で断っただけで酷い言われようだと思いませんか?笑
僕はフロントとして常々、分譲マンションに住むには入居者同士と協調性を持って接していくというのが非常に重要なポイントだと思っています。
協調性が必要なのは何も分譲マンションの所有だけに限ったことではないですけどね(笑)
役員を引き受ける前に確認しておいた方が良いポイント

マンションによって役員の業務や役員の集まり(理事会)の頻度は異なります。
役員を引き受ける前に事前に確認しておいた方が良いポイントをご紹介しますね。
・理事会の開催日(定例で毎月第2土曜の19時開催と決まっているケースもあります)
・奥様などの代理出席が可能かどうか
・役員の業務
・役員を選ぶルール(順番性なのか指名制なのか)
定例で理事会の開催日が決まっているマンションもあるので、
お仕事の関係で絶対に出席できない場合は
役員を引き受ける前に相談しておいた方が良いと思いますよ。
また、小さいお子様がいるので、お子様を理事会へ同席させることが可能か?というようなこと等気になることはなんでも確認した方が良いですね。
役員って何をするの?

役員をやりたくない。役員なんて断りたい(辞退したい)。と思っている大半の方は、
役員が何をしなければならないのかが分からないために
とても大変だというイメージが先行している方が多いと思います。
僕の経験上、役員が何をすればよいかという事を知ることで、
やりたくない。断りたいという気持ちは少しは軽減されると思います。
管理会社でフロントとして働いている僕が役員が何をすればよいのかという疑問について
簡単にご説明しますね。
管理会社のフロントとは・・・
理事会や総会で事務方(裏方)として役員をサポートする仕事です。
理事会や総会には必ず出席していますよ。
会合(理事会)に出席する。

マンションによって頻度や時間は異なりますが
役員が集まる会合(これを「理事会」とよびます)に出席するというのが、必要最低限の業務です。
なぜなら、役員は人数が決まっており、出席する人が少ないと理事会が成立しないからです。
急用や体調不良でない限りは、役員になったら理事会には出来る限り出席しましょうね。
一般的に理事会は1ヶ月~3ヶ月に1回の頻度で開催され概ね1時間程度で終わることが多いです。
なお、理事会というのは、
役員が集まり管理会社からマンションの設備点検の結果や会計の報告をうけたり、
各種設備の修理の提案をうけて対応について協議決定するのがメインの会議です。
まれに自主的な管理組合で役員に様々な業務が割り振られている可能性があるのでその場合はちょっと大変な可能性もあります。
また、役員の中から理事長や副理事長(この役職はないところもあります)理事・監事という役職を決定するのですが、
理事長が一番大変(業務量が多い)な役職となりますので初めての方や不安な方は理事がベストかもしれませんね。
管理会社目線でいうと、理事長が理事や監事と違って大変なところは
✔マンション内でのトラブルや事故があった場合に管理会社から連絡や相談がある
✔様々な点検報告書への押印作業がある
✔理事会や総会の議長をしなければならない
大きいところはこれくらいです。
一般的に大手の管理会社は業務を理事長に丸投げをすることはありませんので
未経験の方でも理事長は出来ますよ。
総会に出席する。
管理組合は、年に1回は定期総会(通常総会)というものを開催しなければなりません。
役員になった時は定期総会への出席は出来る限りしましょう。
理事長は総会の議長となるため、必ず出席する必要がありますよ。
体調不良や急用の場合は欠席も仕方ないと思います。
最後に
如何だったでしょうか。
この記事をみて、「役員はやりたくないけど、仕方がないからやるかぁ~」と思っていただければ幸いです。
くどいようですが、分譲マンションという性質上、役員は断らずに引き受けた方が絶対に良いですよ。
たまにですが、役員になった時に「今まで興味がなかったけど、勉強になった」という方もいるんですよ。
分譲マンションは所有者の資産なので、少しでもマンションの運営に興味を持つことは重要だと思いますね。
