中古分譲マンションの購入を検討される方はこのような疑問をもっていると思います。
マンション管理会社にフロントとして15年勤務している僕が
不動産会社は教えてくれないマンション管理会社だからわかる中古分譲マンション購入の注意点をご紹介します。
マンション購入は高い買い物なので、失敗しないためにも是非とも参考にしてくださいね。
管理会社フロントが中古分譲マンション購入の注意点をご紹介

一般的に中古マンションは不動産会社から購入しますが、
大前提として不動産会社はマンションの売買を成立させることがお仕事なので、法的に説明の義務があることしかネガティブな情報は説明しません。
つまり、かゆいところまで手が届く情報は、自分自身で調べる必要があります。
ここでは、不動産会社は教えてくれない管理会社だから分かる中古分譲マンションを購入される際の注意点に特化してご説明しますね。
マンション管理会社のフロントという立場上、マンションの内情には精通しており且つマンションを購入された所有者と話しをする機会が多いんですよ。
分譲マンションを購入すると住宅ローンの他に「管理費」「修繕積立金」という費用の支払いが必要で賃貸マンションとは性質が大きく異なります。
それでは、まずお金の話からご説明していきますね。
修繕積立金が値上がりする可能性を確認する

分譲マンションを購入すると、必ず毎月「修繕積立金」というものを支払う必要があります。
そして「修繕積立金」は値上がりする可能性があるということを覚えておいて下さい。
設定されている修繕積立金の額が安いと修繕の時にお金が足りなくなるからです。
修繕積立金が不足していると修繕積立金が倍になったり修繕の際に一時金として数十万円の支払いが発生する可能性もあります。
つまり「適正に修繕積立金が貯蓄されているかどうか」
「修繕積立金が値上がりするリスクがあるかどうか」
は購入者が自身で確認する必要があるということです。
分譲マンションは「長期修繕計画」といわれるものが存在します。
それを確認することで今後の修繕を実施するにあたり修繕積立金が不足するかどうかを判断することができます。
✔長期修繕計画ってなに?
長期修繕計画というのは、今後想定される修繕を見据えて適正な修繕積立金を積み立てていくことを目的として各マンションで策定されている資金計画のような物です。
長期修繕計画を確認することで、現在の修繕積立金の額で今後想定される修繕の資金が足りているのかどうかを必ず確認しましょう。
もし、長期修繕計画において、大幅に資金が足りなくなる計画になっていれば、今後修繕積立金が値上げとなるリスクが高いと判断して下さい。
不動産業者が購入者に説明しなければならないのは
「修繕積立金が値上げとなることが確定している場合」だけです。
仮に長期修繕計画において資金が足りなくなる内容になっていたとしても、「修繕積立金が値上げとなることが確定していない場合」はそのネガティブ情報を購入者に説明する義務はありません。
管理費が値上がりする可能性を確認する。

これも「修繕積立金」と同様に、「管理費」は毎月支払う必要があり値上がりする可能性があります。
管理費が値上がりする理由はいろいろありますが、以下の理由が多いと思います。
・駐車場の契約者が減り、収入が減少している。
・経年により修繕にかかる費用が増えている。
・消費税の増税、点検費用等の値上がり等により支出が増えている。
分譲マンションは、年1回必ず定期総会というものを開催しています。
直近3年間の定期総会の議案書を確認して下さい。
確認する箇所は、定期総会の議案書の管理費会計(一般会計という名称の場合もある)の決算報告のところですよ。
管理費会計というのは所有者から集めた「管理費」や「駐車場使用料」がメインの収入です。
支出は共用部の電気料金や水道料金、設備点検費用や管理会社への管理委託費用、共用部の保険費用等の日常で発生する維持管理費用です。
確認のポイントは管理費会計がプラス収支なのかマイナス収支なのかという点です。
マイナス収支であれば、今後管理費が値上がりする可能性が高いということです。
不動産業者が購入者に説明しなければならないのは
「管理費が値上げとなることが確定している場合」だけです。
仮にマイナス収支が続いていたとしても、「管理費が値上げとなることが確定していない場合」はそのネガティブ情報を購入者に説明する義務はありません。
立て続けにお金に関わるお話をしました。
くどいようですが、不動産会社は確定している情報しか教えてくれないので、必ずご自身で確認して下さいね。
次はお金と同じくらい僕が重要だと思っているポイントをご紹介します。
マンションの雰囲気やトラブルの有無を確認する。

あたりまえの話ですがマンションでのご近所トラブルはできるだけ避けたいですよね。
不動産会社は前の所有者に簡単にトラブルの有無をヒアリングするだけで、本当の実態までは時間をかけて調査はしていません。
そのため入居者の雰囲気やトラブルの有無は必ずご自身で確認しておきましょう。
管理会社はトラブルがあることを知っていた場合でも、その情報を不動産会社に開示する立場にないため情報開示はしません。
まずは必ず購入を検討しているマンションに複数回足を運ぶということです。
マンション内でトラブルが発生していれば掲示板に注意文書が掲示されていることが多いです。
また、分譲マンションでは必ず理事会や定期総会という会議が開催され、その記録として理事会議事録や総会議事録というものが存在しますので、閲覧申請をして必ず閲覧をしましょう。
議事録を確認することで、マンションの入居者同士がもめていたり、建物に欠陥があり建築会社ともめていたり、常識では考えにくいような価値観の方が住んでいたり等のマンションの状況を確認できる場合があります。
僕はここが非常に重要なポイントだと思います。
見た目や立地が良いマンションで修繕積立金が潤沢に貯蓄されていたとしても、
マンションの入居者同士がもめているようなマンションはおすすめしないです。
そういうトラブルが嫌いな方は必ず議事録を確認しましょう。
僕が理事会議事録と総会議事録の中で確認した方が良いというポイントをいくつか深堀してご紹介します。
理事会議事録案と総会議事録案はマンション管理会社のフロントが作成しています。
理事会の頻度と時間

理事会の頻度と時間は理事会議事録を閲覧することで確認できます。
一般的に理事会は1ヶ月~3ヶ月に1回の頻度で、会議時間は1時間程度で終了することが多いです。
確認するポイントは理事会の頻度と会議時間です。
毎月理事会を開催し3時間くらいの会議時間となっているのであれば、何かトラブルを抱えているか、個性的な役員がいるかのどちらかでしょう。
マンションを購入するといつかは役員となり理事会に出席することになるので、毎月3時間も理事会で拘束されるのはつらいと思いますし、
実際に役員になった方からそういう声が聞こえてきているのが現状です。
モンスター入居者の有無を確認する

正直モンスター入居者はどこにでも一定数いますが、
度を超えたモンスター入居者がいるかどうかを確認しましょう。
「理事会議事録」「総会議事録(質疑応答をチェック)」を閲覧することで、
モンスター入居者がいるかどうかを確認できる場合があります。
議事録に記載されていないケースもあり確認できないかもしれませんが、過去3年間ぐらいをさらっと閲覧することをおすすめします。
度を超えたモンスター入居者がいると、住環境としては快適とは言えないと思います。
もしかしたらモンスター入居者が隣人かもしれません。
「騒音トラブル」や「ペット飼育トラブル」なども議事録を閲覧することで確認できる可能性がありますので、
必ず理事会議事録・総会議事録は過去3年間分は確認しましょう。
最後に
マンション管理会社にフロントとして15年勤務している僕が、不動産会社は教えてくれない中古分譲マンションを購入される際の注意点をご紹介しました。
購入を検討されているマンションの資金状況やマンション内でのトラブルの有無等を確認するのは非常に重要なポイントだと思います。
大半の方が住宅ローンを利用して購入される大きい買い物だと思いますので、是非とも失敗しないようにご参考にして頂ければと思います。