僕はマンション管理会社でフロントをしているのですが
たまに「うちのマンションはうるさくて大変でしょ?」と声をかけてくれる入居者の方がいます。
マンションの入居者には言えないようなフロントの本音をご紹介します。
管理組合の役員をやられている方に向けて、フロントの本音を知ったうえで、上手に管理会社を使ってくれればという思いで記事を書きました。
担当しているマンション管理組合の理事長には本音なんか言えるわけはありませんからね(笑)
こんなマンション管理組合の理事長は嫌だ!!

フロントも人間なので担当したいマンション管理組合と担当したくないマンション管理組合がありますが
担当したくないと思う一番の理由は理事長の人柄によるところが大きいですね。
フロント経験者にはあるあるの話だと思います。
なぜならフロントは理事長と接する機会が多いので、理事長の人柄によってストレスの度合いが変わるんですよ。
裏話ですが、フロントが2年~3年という短期間でころころ変更になっているマンションはフロントにとって担当したくないマンション管理組合である可能性が高いですね。
なぜなら、裏話になりますが、
フロントは担当したくないマンション管理組合を様々な理由をつけて上司に担当変更の依頼をしています。
逆に担当し続けたいマンション管理組合は、上司に様々な理由をつけて担当し続けるように交渉します。
もしも自分のマンションを担当しているフロントが良い人なのであれば、
フロントに担当したい管理組合と思ってもらえた方がWINWINの関係になりますよ。
それでは具体的にフロントが「こんな理事長は嫌だ」と思うマンション管理組合をご紹介します。
理事長のこだわりが強すぎる
世の中には自分の常識でしか物を考えない方が一定数いると思いますが、
こういう方が理事長だとフロントは疲弊していくことが多いですね。
僕が実際に体験した事例をご紹介しますね。
・理事会議事録案を提出したら出席者の発言を一字一句記載するよう求められる。管理会社が提出するのはあくまでも素案であることを説明するが、管理組合が求めている素案を作成するのが管理会社の仕事だと主張する。
・管理員が使用する事務消耗品や清掃消耗品を遠方のホームセンターや100均まで買いに行かされる。カタログでの購入は高いし送料がかかるのでダメと言われる。
・掲示文書のFAXはNGで必ず依頼があった当日に持参しなければ叱責される。
・休み中でも携帯電話に出ないと激怒。担当者というのはいつでも電話に出るのが当たり前と叱責される。
嘘だと思われるかも知れませんが、フロント経験者であればどれかは経験したことがあるのではないでしょうか。
事例は紹介しきれないのでこれくらいにしておきます(笑)
フロントの本音としては
「そんなにこだわるんだったらお願いだから自分でやって」です。(笑)
高圧的な理事長
これもフロント経験者にはあるあるだと思います。
居酒屋の店員さんに高圧的に接している人みたいなイメージです。
とりあえず自分の思い通りにならなかったら、大声をだしたり罵声を浴びせてきたりします。
ハラスメントという言葉も知らないんじゃないかと思ってしまうレベルです。
普通に考えてこんな理事長は嫌ですよね。
僕はフロント経験が15年を超えていえるので、こういう理事長に当たった経験は何度もあります。
フロントの本音としては
「運悪りぃーーーーー!!!」です。
理事長に当事者意識がない。

原則として、マンションで起きている問題は管理組合で解決する問題です。そして管理会社はあくまでもその解決の支援をする立場です。
つまり、問題を解決しなければならない当事者は自分達であるということを理解しているかどうかという事です。
問題の解決方法を議論している際に理事長や役員が「口は出すけど手をださない」スタンスでいられると理事会支援がスムーズにいかないことが多いです。
「手を出さないのであれば口も出さない」「口を出すのであれば手も出す」というスタンスが良いと思います。
マンション内で発生している問題は所有者で形成される管理組合の問題であり、その解決には管理組合が主体性をもって対応し、管理会社に支援(あくまでも支援ですよ)をお願いする(理事会支援業務)ということを理事長が理解していただいているとフロントとしてはとてもやりやすいですね。
フロントの本音としては
「がたがた言うなら、自分でやってよ」です。
理事長に予防保全の考え方がない

予防保全というのは、簡単にいうと壊れてから修繕するのではなく壊れる前に修繕をするということです。
「壊れたら修繕すればいいのでは?」という方もおりますがマンションは集合住宅です。
設備によっては壊れることで入居者全員に影響が出ることや修繕を業者に依頼してから数週間の時間がかかるケースもあります。
理事長がマンションは集合住宅であるということを理解し、予防保全の考え方で修繕を行っているマンションはフロントとしては安心して管理することができます。
フロントの本音としては
「お願いだから危機管理の本を一冊読んでください」です。
修繕積立金というものを理解していない。

修繕積立金というのは簡単にいうと管理組合の貯金です。
管理会社に支払っているお金ではありません。
そこをはき違え、修繕積立金の値上げを後回しにする理事長が一定数います。
適正な修繕積立金が貯蓄されていないと、適正なタイミングで建物や設備の修繕を行うことができません。
個人的な考え方で修繕積立金の値上げを後回しにすると、様々な修繕が後回しになり、結果として入居者の方に迷惑がかかることになります。
場合によっては、漏水等の事故が多発しその対応にフロント担当が追われるという流れになります。
修繕の決定スピードが遅い。

突発的な設備不良が発生した時に、管理会社としては出来る限り早急に修繕することを提案します。
しかし、理事長から複数社から見積もりを取って比較検討してほしいという意見がでるケースがあります。
仮にそれで数万円安くなったとしても復旧するまでの時間がかかることで様々な弊害が発生します。
大規模修繕工事や予防保全を目的とした設備更新のような多額の費用をかけた修繕であれば数社から見積もりをとり比較検討することは必要だと思いますが、日常的に発生する修繕については、理事長の修繕の意思決定スピードが早い方がフロントとしてはやりやすいですね。
フロント目線でいうと、管理組合の理事長は判断力と決断力が必要だと思いますね。
r「どんな少額な工事であっても、複数社から見積もりをとって比較検討するべきだ」という意見をお持ちの方が一定数おられますが、そのスタンスを取るのであれば、緊急性のある工事であってもご自身で複数社から見積もりを取り復旧までに弊害が生じた場合はご自身で入居者へ説明をするというのであれば、問題ないとおもいますよ。
口を出すなら、手も出すということですね。
理事会をだらだら進行する。
フロントは理事会に出席するのですが、長時間だらだら議論されるのは非常に苦痛に感じます。
誰でも長い会議は苦痛ですよね。
あくまでも管理会社は理事会の支援業務(理事会運営のアドバイス)として理事会に出席しているので、
議長である理事長は円滑な議事進行を行いできるだけ短時間で理事会を終了させる配慮が必要だと思います。
無駄に毎月理事会開催をするという考えの理事長がおりますが、開催頻度や開催時間も考慮した方がいいと思いますよ。
今の時代に長時間会議は向いていないですよね笑
クレーマー対応をフロントに丸投げ

管理組合運営にクレームをつける入居者がいた場合にそのクレーマー対応をフロントに丸投げする理事長がいます。
クレーマーは管理組合運営にクレームを入れているので理事長とフロントが2人3脚で対応するのがベストです。
フロントの本音としては
「責任感って知ってます?もしかして社会不適合者ですか?」です。
フロントは理事長にクレーマー対応を丸投げされると、クレーマーと理事長との板挟みになります。そうならないように一緒に対応してくれる方がベストですね。
最後に
「こんなマンション管理組合の理事長は嫌だ」というテーマでフロントである僕の実体験を基にした本音をご紹介しました。
フロントにとって働きやすい環境を作るのは理事長の人柄が大きいので、管理組合で役員をやっている方はもしこんな理事長を見かけたら、フロントを助けてあげてほしいな思います。
良いフロントは大事にするのが管理組合としてはベストですよ。