毎日仕事に追われて疲弊している・・・
現役でフロントとして働いている方は、こんな悩みを抱えている方も多いと思います。
大手マンション管理会社であってもフロントの教育というのが十分に行き届いていないのが現状だと思いますので、
2005年からフロントとして現役で働ている僕が理事会運営のポイントをご紹介します。
なお、この記事は
✔フロントに転職した方
✔管理組合運営に興味のある役員の方
向けの記事となります。
分譲マンション管理会社フロントの理事会運営のイロハ
マンション管理会社のフロントというのは、突発的に発生する事故対応やトラブル対応をしなければならないため、日常業務を効率的にこなさないと仕事に追われるルーティンになります。
効率的に日常業務を処理することで、突発的に発生する業務に時間をかけて対応することができるようになります。
記事内容としては、僕の経験を基にしたフロント向けの業務効率化の記事になりますが、管理組合の役員の方にも役立つ情報となりますので、是非参考にしてくださいね。
①マンションの年間計画を確認する

担当しているマンションの年間業務の中で、自動的に実施される業務(フロントがなにもしなくても実施される業務)とフロントが動かなければ実行されない業務を確認することです。
それでは具体的な内容に入っていきますね。
定期清掃・設備点検の確認

総会議案書に清掃や点検の頻度が記載されていることが多いと思います。
基本的には定期清掃や設備点検はフロントが発注しなくても自動的に実施される仕組みになっているケースが多いと思います。
ポイントは、フロントが発注しなければならない点検や清掃があるのかどうかを確認するということです。
また、担当しているマンションの清掃が実施される月、点検が実施される月は押さえておきましょうね。
連結送水管耐圧試験・特定建築物定期報告・排水管清掃はフロントが発注しなければ実施されないことが多いですよ。
仮に定期的に実施されている点検や清掃業務が発注しなければならない状態であれば、管理組合と業者で契約を締結してもらうことでフロントの発注が不要になります。
出来る限りフロントが発注しなければ実施されないという業務を減らしましょう。仕事の効率化です。
理事会の開催頻度・総会の開催月を確認する。

マンションの集会室で理事会・総会を開催しているケースもあれば、都度会場を予約しているケースもあると思いますので、過去の理事会の開催頻度・総会の開催月を確認しましょう。
担当しているマンションの理事会や総会のスケジュールを把握し、自分のスケジュールで理事会や総会の日程を決定するイメージです。
管理組合の都合だけで理事会を開催するのではなく、自分のスケジュールも考慮して理事会日程を決定するのがベストです。
理事会の開催日をアンケートなどで日程調整しているケースがあると思いますが、理事会の時に次回理事会開催日時は決定しましょう。
そうすることで、理事会日程調整の業務がなくなりますよ。
消防訓練や夏祭り等のマンション行事の有無と実施月の確認

消防訓練は大半のマンションで実施されていると思いますが、夏祭り等のマンション行事も含めてフロントがどのように関与しているのかというのを事前に確認しておきましょう。
一般的には開催案内文書をフロントが作成していることが多いので、管理組合に作成を依頼される前に昨年と同じ内容(日程だけを変更)で案内文書を作成し、事前に添削を依頼しましょう。
管理組合から早急に案内文書を作成してほしいというような急な依頼を減らしましょう。
また、実施忘れにもつながりますよ。
②第1回理事会で役員と年間スケジュールを共有

新年度の第1回理事会で必ず年間スケジュール(1年間で実施する点検・清掃・行事等)の情報共有と、総会決定事項の確認を行いましょう。
そもそも理事会がやることというのは、
①「総会で決定したことの実行」
②「定例で行っている点検・清掃・行事の実行」
③「諸問題についての議論」
④「次期総会議案の検討」です。
第1回の理事会では必ず
「総会で決定したこと」
「定例で行っている点検・清掃・行事」
については、よほどのことがない限り実施する業務となりますので、すべて決定してしまいましょう。
その後の理事会で「諸問題についての議論」や「次期総会議案の検討」を行う流れですね。
役員は素人のため、フロントがサポートしなければ例年実施している業務や総会で決定した事項を失念してしまう恐れがあります。
フロントは役員を支援するのが業務(理事会支援業務)であることは覚えておきましょう。
「諸問題についての議論」ってどんな内容?
「諸問題についての議論」は無ければ不要ですが、どんな内容があるかご紹介します。
✔設備点検で指摘された不具合の改善提案
これは忘れてはいけないので、各種設備点検の結果については、不具合の有無に関わらず議題に取り上げましょう。
理事会頻度が少ない場合などは、
各種設備点検で指摘された不具合の修繕については、予算内で対応できる場合は理事長に一任し、理事会で事後報告とする
これを第1回の理事会で提案し承認されれば、遅滞なく不具合の改善工事を実施することができ円滑に業務が進みますよ。
✔管理費等の未納者状況の報告
管理費等の未納者の状況についても、未納の有無に関わらず必ず報告しましょう。
✔入居者からの苦情等の報告と改善策の提案
入居者から管理会社に苦情があった場合は、内容にかかわらず理事会には必ず報告しましょう。
管理会社への苦情でも入居者間の個人的なトラブルであっても執行機関である理事会には必ず報告し、必要があれば改善策を提案しましょう。
「次期総会議案の検討」のポイント

分譲マンションでは、定期総会で承認を得なければ実施できないことがあります。
良くあるケースは
「修繕積立金を使う場合」「管理規約の改正」「管理費・積立金の改定」ですね。
次期総会議案の検討をする時には、長期修繕計画や管理規約を準備しましょう。
③管理規約を確認する

担当するマンションの管理規約は必ず一度は目を通しましょう。
フロントは10以上の管理組合を担当するので暗記はする必要はありませんが
何か気になったことがあれば管理規約を確認するクセを付けた方が良いですよ。
なぜなら、マンションによって管理規約の内容が異なるからです。
入居者や役員から相談された際に、即答するのではなく必ず管理規約を確認してから答えることを意識しましょう。
フロントがミスリードすることで、大きなトラブルに発展する可能性があります。管理規約はマンションごとに異なります。
管理組合に評価されるフロントになるには
担当しているマンションから「ありがとう」とか「良いフロントさんで良かった」と言われたいですよね。
僕が管理組合運営で重きをおいているポイントは2つです。
僕の経験上、もっとも重要であると思うポイントなのでご紹介しますね。
スピードを重視する
理事会で決定したことや役員から頼まれたことなどはスピード感を持って対応することが非常に重要です。
なぜなら世の中ってスピードが早いものが良いとされていますよね。
「インターネットの回線速度」「スピードの速い車」「高速道路」・・・あげればきりがないですが、
とにかくスピード感をもって業務を実施するのが重要です。
ここで僕がスピード感を重視して対応している業務をご紹介しますね。
①理事会議事録案・総会議事録案の提出
②理事会で決定した事項の実施
これだけです。
理事会議事録のコピーを入居者に配布しているケースや、広報誌の作成を管理組合から依頼されている場合はなおさらスピード感が重要です。
理由はお判りでしょうか。
役員や入居者の目にふれる物であり、スピード感が一番伝わるからです。
具体的には、
理事会の2日後には「理事会議事録案を提出」「理事会で配布してほしいと依頼された書面を配布」というような感じですね。
入居者から連絡がきた時がチャンス
入居者から漏水の連絡や、専有部の設備の不具合の連絡があったケースですね。
これでもかというぐらい丁寧に、スピーディに、中間報告もいれながら対応しましょう。
「困って管理会社に連絡したらとても親切に対応してくれた」というのは以外と入居者は覚えている物です。
その逆に「困って管理会社に連絡したけど、対応が悪かった」というのも入居者は覚えています。
入居者が困っている時こそ、フロントとしては存在意義を示すチャンスだということは覚えておきましょう。
最後に
マンション管理会社にフロントとして15年勤務している僕が、理事会運営のイロハをご紹介しました。
僕の経験上、重要と判断したポイントだけをご紹介しているので、かゆいところまで手が届く内容にはなっておりませんが、細かい所は、今後特化した記事でご紹介したいと思います。