こんなこと管理会社のフロントには聞けないですよね?
昨今のマンション管理組合で経費削減というのは重要な課題だと思いますので、
2005年から現在も現役でマンション管理会社でフロントとして働いている僕が
マンション管理会社の管理委託費の値下げ交渉方法をご紹介しますね。
管理委託費の値下げ交渉方法をご紹介

マンションの支出において管理会社に支払う管理委託費の占めるウエイトは大きいため
管理委託費を削減することは経費削減にはとても大きな効果があります。
しかし、知識がない状態での値下げ交渉は非常に難しいです。
また、他の管理会社から見積もりを取って比較検討するのは役員にとっては面倒な作業だと思います。
この記事では管理会社を変更せずに管理委託費を値下げする交渉方法をご紹介します。
経費削減を目的として管理会社変更を請け負っているマンション管理士やNPO法人がいます。
フロントの僕から言わせれば、彼らは机上のマンション管理の知識はありますが実際のマンション管理の知識はありません。
管理会社変更後の管理の質が低下することについては全くの責任は取りません。
年間の顧問契約を提案してくるところもあるのでご注意下さい。
管理組合の決算月を変更する。

一般の方には決算月を変更することで管理委託費を減額できる意味がわからないと思います。
管理組合の決算月というのはマンションによって異なりますが、実は12月や3月という決算月のマンションが多いのです。
管理会社は12月や3月という決算月を他の月に分散させることで業務の繁忙期を分散させたいという考えがあります。
12月や3月が決算月のマンションであれば決算月を変更することを条件に
管理委託費の値下げ交渉をしてみましょう。
決算月を変更しても管理組合運営に問題は生じないので、検討してみる価値はあると思います。
決算月は管理規約で規定されているので変更するには管理規約の改正が必須となります。
管理員が有休取得時の代行管理員は不要とする。

一般的に管理員が有休を取得した時は代行管理員が配置されますが、
代行管理員を不要とすることを条件に管理委託費の値下げ交渉をしてみましょう。
管理会社は管理員が常に不足している状態のため代行管理員を派遣会社に依頼するケースがあります。
派遣会社に代行管理員を依頼するとコストがとても割高になります。
管理員が有休を取得した際に代行管理員は不要とすることで管理員にかかる人件費が削減されます。
こういう場合は「代行管理員を配置しない日を年間〇〇日とする」と設定しても良いと思いますので、管理会社に相談してみましょう。
大手管理会社は契約書のひな形というものがあり独自の文言を入れることを望んでいないケースもあります。
地場の管理会社など小規模な管理会社の方が応じてくれる可能性が高いです。
理事会の開催頻度を減らす

理事会を毎月(年12回)開催しているのであれば、
理事会の開催頻度を年3回~年4回とすることを条件に管理委託費の値下げ交渉をしてみましょう。
大手管理会社はフロントが理事会に出席する毎に残業代や手当を支給しています。
理事会開催頻度が多いとフロントの人件費が増加します。
理事会開催頻度をへらすことで、フロントにかかる人件費が削減されます。
効率よく理事会運営を行えば年3回~年4回程度の開催で問題ないと思います。
会社も管理組合も同じですが会議をたくさん開けば良いというものではないと思いますよ。
管理会社の要望を受け入れる。

簡単にいうと管理会社が管理しやすい方法をとってあげるということです。
管理会社の要望は大半が効率化であり管理組合運営において特段問題がない内容が多いです。
管理会社の要望を受け入れることを条件に管理委託費の値下げ交渉をしてみましょう。
参考までにですが、
管理会社というビジネスは効率化が必須です。
管理している管理組合が100件あった場合に100通りの管理をすると社内統制が非常に難しくなるため、
1通りの管理方法で100件の管理組合を管理する方法が効率が良いのです。
それでは、管理会社が管理組合にお願いするケースが多い効率化を目的とした一般的な提案例をご紹介しますね。
管理会社がメインで使っている銀行口座を開設する。

管理組合名義で銀行口座を開設していると思いますが、基本的には管理会社が指定する金融機関で口座開設することを管理会社は望んでいます。
管理会社のメイン業務である会計業務は、各種入金確認や支払い業務、理事長変更による口座名義変更業務などを実施しているため、様々な金融機関を使われると会計業務がとても煩雑になります。
口座開設する金融機関を変更することで管理組合運営に大きなデメリットはないので、応じてあげても良い提案だと思いますよ。
管理会社がメインで使っている集金代行会社を使用する。

管理費等の引き落としについては、既に集金代行会社を使っている管理組合が多いと思いますが、
管理会社がメインで使っている集金代行会社を使用することを管理会社は望んでいます。
基本的に集金代行会社の費用というのは大きく変わらず引き落とし日が変更になる程度であれば管理組合運営に大きな影響はないため、応じてあげてもいいと思いますね。
印鑑の保管方法を変更する

管理会社は修繕積立金口座や管理費繰越金口座(保管口座)の印鑑は預かることができませんが、通常の支払いに要する管理費口座(収納口座)の印鑑を預かることができます。
管理費口座(収納口座)の印鑑を預かる方式をメインとしている管理会社が多いです。
収納口座の印鑑を管理会社に預けない方式をとっている管理組合は、変更することを条件に値下げ交渉してみてはどうでしょうか。
最後に
今回は管理委託費の値下げ交渉方法をご紹介しました。
基本的には人件費や物価が上がっているので大幅な減額は見込めないと思いますが、管理委託費の減額交渉をするにあたってのポイントをご紹介しましたので、是非ともご参考にしてください。